分野間連携の必要性
中学校社会科は、地理・歴史を関連付けながら学び、その蓄積を踏まえて公民の学習がある構造になっています。
そのため、教科全体を見通したカリキュラム・マネジメントが必要です。
帝国書院の教科書では、単元構成を統一し、コラムや特設なども共通にすることで、カリキュラム・マネジメントをサポートしています。加えて、地図帳とも連携させることで、分野を超えた深い考察ができ、多面的・多角的な見方を養うことができます。
元文部科学省 初等中等教育局 視学官である、兵庫教育大学・濵野清教授に、分野間連携の必要性と、
帝国書院の令和7年度版教科書のポイントを解説いただいています。
主体的・対話的な学びを促す導入
地理
「写真で眺める」
p.64-65など
歴史
「タイムトラベル」
p.134-135など
公民
「学習の前に」
p.116-117など
3分野共通で、写真やイラストを効果的に使った導入ページを設置しています。興味・関心を高めるだけでなく、これから学ぶ内容を見通すことができるようにしています。
見通し・振り返りがしやすい構成
地理
「節の問い」と「学習を振り返ろう」
歴史
「章の問い」と「学習を振り返ろう」
公民
「章の問い」と「学習を振り返ろう」
3分野共通で、単元の最初に設置している「章・節の問い」で学習の見通しを立て、章・節末の「学習を振り返ろう」で単元の振り返りができるようにしています。
見通し・振り返り学習を積み重ねることで「章・節の問い」にせまれるよう「問い」を構造化しています。
「主体的・対話的で深い学び」を促す「アクティブ」
地理
「アクティブ地理」
p.281-282など
歴史
「アクティブ歴史」
p.156-157など
公民
「アクティブ公民」
p.166-167など
3分野共通で、「主体的・対話的で深い学び」を実践する「アクティブ」を設置しています。設定されたパフォーマンス課題について、習得した知識・技能を生かして考察し、対話を通して学びを深められるようにしています。
毎時間の学習における「問い」
地理
本文ページ
p.50-51など
歴史
本文ページ
p.148-149など
公民
本文ページ
p.134-135など
3分野共通で、「章・節の問い」を受けた「学習課題」「確認しよう」「説明しよう」を本文ページに設置しています。学習の到達点を毎時間確認できるようにしています。
「見方・考え方」を働かせる工夫
地理
「地理的な見方・考え方」
巻頭8
歴史
「歴史的な見方・考え方」
巻頭8
公民
「現代社会の見方・考え方」
巻頭8
3分野共通で、「見方・考え方」を働かせながら学習を深められるように工夫しています。巻頭では、各分野で働かせる「見方・考え方」について詳しく解説しています。
防災意識を育む工夫
地理
「日本のさまざまな自然災害」
p.146など
歴史
「未来に向けて
自然を生かした信玄堤」
p.97など
公民
「未来に向けて 自然災害から社会を守る社会資本の整備」
p.179など
地理では災害の要因となる現象、歴史では災害の経験、公民では災害に対する行動をおもに扱い、3分野の学習を通して防災意識を育めるようにしています。
我が国の領土への理解を深める工夫
地理では日本の領域の範囲、歴史では領土画定の経緯、公民では国としての取り組みを扱い、3分野の学習を通して日本の領土について正しく理解できるようにしています。
地図の活用を促す工夫
地理
p.210など
歴史
p.69など
公民
p.203など
3分野共通で、「地図帳活用」を設置し、地図帳を活用することで学習が深まるようサポートしています。また、豊富な地図の読み取りを通して、空間認識能力を高められるようにしています。
小学校・他分野との関連を図る工夫
地理
歴史
公民
3分野共通で、他分野との関連や既習事項を示すアイコンと側注を設置したり、問いの文章を工夫したりすることで、小学校や他分野の学習を生かせるようにしています。
SDGsへの意識を育む工夫
地理
「未来に向けて
よりよい社会を目指して」
巻頭1-2
歴史
「未来に向けて
よりよい社会を目指して」
巻頭1-2
公民
「未来に向けて
よりよい社会を目指して」
巻頭1-2
「未来に向けて よりよい社会を目指して」では、地理では地域の事例、歴史では過去の経験、公民では自らが考える課題を取り上げ、SDGsへの理解が深まるようにしています。
本文ページや特設ページでは、地理・歴史・公民共通の6テーマ(「環境・エネルギー」「防災」「人権・多文化」「平和・安全」「情報・技術」「伝統・文化」)から、「持続可能な社会の実現」を意識づけられるようにしています。