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国別の色分け地図で、樺太の南半分と千島列島に着色していない理由は何ですか。
南樺太や千島列島は、一度は日本の領土となった地域ですが、第二次世界大戦後に日本が放棄しソビエト連邦の施政権下におかれ、その後ロシア連邦に引き継がれて現在に至っています。しかしながら、日本政府の見解では、ソビエト連邦はサンフランシスコ平和条約に調印しておらず、さらに現在まで日本とロシア連邦でその領有についての話し合いが十分にもたれていないとの理由から、帰属未確定地であるとしています。
このような日本政府の見解をふまえ、1969年に当時の文部省から北方領土、千島列島、南樺太の取り扱いに関する通達がありました。これを受け、1971年度発行の教科書・地図帳から北方領土は日本の領土として、千島列島と南樺太は帰属未定地として明確に表記するようになりました。具体的には、①宗谷海峡上、②樺太の北緯50度上、③シュムシュ島とカムチャツカ半島の間、④択捉島とウルップ島の間の4か所に国境線を引き、その間の陸地は白地にしています。