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小・中学校地図帳が土地利用表現を用いているのはなぜですか。

 小・中学校地図帳は、陸高(土地の高低)で色分けする「等高段彩」表現に加え、100万分の1と50万分の1の地図では、田・畑・果樹園・市街地など土地の使われ方で色分けする「土地利用」表現を合わせて用いています。土地利用表現の地図で、市街地や田畑の広がりを見ることによって、学習指導要領で示されている「日本の地域的特色」(人々のくらしや産業のようすなど)を端的にとらえることが可能となります。
 例えば、中学校社会科の地理分野では、関東地方の学習をする上で、東京大都市圏のようすを知ることは欠かせません。地図帳の土地利用(市街地)を確認することで、東京都の市街地が周辺の県まで連続していること、東海道本線・中央本線・東北本線・高崎線などの鉄道路線に沿って広がっていることなどを読み取ることができます。
 このほかにも、川に沿って水田が分布しているようすや、山梨県の甲府盆地の周縁斜面に桃やぶどうなどの果樹園が分布しているようす、静岡県の茶畑や北海道の牧草地の分布のようすなど、土地利用表現は、絵記号と合わせて地域の実態をとらえるのに役立つ表現であると考えています。こうした理由から、小・中学校の地図帳では土地利用表現を採用しています。