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「変動帯」と「造山帯」の違いは何ですか。

 プレートテクトニクスでは、地球の表層は厚さl00㎞程度の岩石でできた複数のプレートでおおわれていると説明されます。そして、それらのプレートの境界は、各プレートの動く向きによって、狭まる境界、広がる境界、ずれる境界の3種類に分類されます。いずれの境界付近でも、プレートの運動によって、激しい地殻変動や火山活動がみられ、大山脈や海溝、海嶺などの大地形がつくられます。プレート境界沿いに分布するこのような帯状域を変動帯とよびます。このように、「変動帯」はプレートテクトニクスに立脚する諸現象を理解するうえで重要な用語です。
 一方で、プレートの運動などに伴って、大山脈や弧状列島などができる運動を造山運動とよび、造山運動が生じている地帯や過去に生じた地帯を造山帯とよびます。造山帯には、中生代以降の造山運動によって形成された新期造山帯と古生代に造山運動が活発であった古期造山帯があります。造山帯の分布は、変動帯のうちの狭まる境界の分布とおおむね一致しています。このように、「造山帯」は地質学に立脚しつつ、地形をとらえるうえで重要な用語です。また、地形と地質には一定の関連があることから、埋蔵物である鉱産資源の分布を理解するうえでも「造山帯」は有用です。