OCCUPATION
部門紹介
各部門の社員たちは、それぞれ異なる役割を担いながらも、「“本を、人を、未来をつくる”教科書をつくり、無事に届ける」という共通の使命を持ち、創業から100年以上が経った今でもその使命を大切にしながら、日々の仕事に励んでいます。
学校用地図帳をはじめとする「教科書(教科用図書)」は、1冊が完成するのに4年ほどの歳月がかかります。なぜ4年もかかるかというと、文部科学省の教科書検定が通常4年ごとに行われ、この間に新しい教科書を作成することが決められているからです。
教科書は、この検定審査に合格することではじめて発行できます。その後、自治体や地域ごとに使用する教科書を複数社の中から検討し、そこで選ばれることによってようやく先生や子どもたちの元に届きます。ちなみに、小学校と中学校(義務教育)では一度採用されると通常4年間変わることはありません。また、「無償教科書」という扱いのため、教科書の代金を各家庭で負担することなく、公費で賄われることになっています。(高等学校の教科書は「有償教科書」といい、通常は各家庭で購入します。)
子どもたちの学びの指標となる教科書の制作は、大きな責任を伴い、緊張感に包まれる仕事です。ですが、帝国書院の地図帳や教科書の採用が決まった時や、先生方から「こんなところが使いやすい」「ここが特によいと思う」といった声をいただいた時、子どもたちの成長の機会に携われることに私たちは最大の喜びとやりがいを感じます。
部門紹介
編集部門~創造する・生み出す~
編集部門で制作する商品は、①地図帳や教科書、②資料集・図説や地域版地図などの副教材、③デジタル教科書や学習支援ツールなどのICT教材、④一般向け書籍と大きく4つに分かれており、それぞれの部署で企画から編集までを担っています。
地図帳や教科書の編集部では、企画、執筆依頼、原稿作成、用字用語の確認・校正、誌面のデザイン・レイアウトなど多岐にわたる業務を行います。文部科学省が定める学習指導要領に則りつつ、学校の先生や子どもたちが使いやすく、学びに役立つ地図帳や教科書になるよう、部署内はもちろん、原稿執筆者や営業部門の社員、さらには教育現場の先生方と何度も打ち合わせを重ねながら作成します。また、企画や編集にあたっては、より専門的な知識を習得するため学会参加や実際の授業見学をしたり、学習指導要領の理解を深めるため文部科学省の審議を傍聴したりすることもあります。地図帳や教科書のほかにも、教師用指導書や、教科書に準拠したノート(ワークブック)なども作成しています。さらに、地図の基盤となる地図データベースを、地理情報システム(GIS)を利用して整備・管理しています。
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副教材の編集部では、地図帳や教科書以外のほぼ全ての教材を扱い、主に資料集・図説を企画・編集しています。日々の授業において、教科書と併用して使うことでさらに理解が深まるものとなるよう、写真や統計資料、特集ページやコラムなどを豊富に扱いながら作成します。また、全国各地の小学校や中学校の先生方からの要望をもとに、地域版地図という都道府県別または市区町村別の地図も作っています。なお、企画から編集までの大きな流れは地図帳や教科書の部署と同じで、学習指導要領にも則って作成しますが、副教材には文部科学省の検定審査はないため、より自由に特色を表現しながら作成することができます。
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デジタル教科書や学習支援ツールなどのICT教材の編集部では、主にデジタル教科書・教材の企画や開発、さらに販売促進を行っています。学校教育においてもデジタル化の伸展は目覚ましく、児童や生徒が一人一台端末を持ち、日常的な活用が進んでいます。この編集部で制作する商品は、紙の地図帳や教科書を画面に表示して活用するだけではありません。例えば、端末上で書き込みや拡大縮小表示が行えたり、学習履歴から授業評価に繋げたり、各単元をより深く理解するために動画解説機能を取り入れたりなど、デジタル教科書や教材ならではの特色を十分に引き出し、授業や家庭学習を支えられるよう企画や開発に励んでいます。
また、これらの販売促進においては、全国の自治体や学校に対し、紙の教科書と併せてデジタル教科書や教材も導入するよう提案したり、授業や家庭学習においてICT教材の効果的な使い方を広めたりする社内外の勉強会や、展示会出展などを精力的に行っています。
一般向け書籍の編集部では、帝国書院の財産である地図帳をベースに、一般の読者を対象とした本の企画・編集を行っています。例えば、「旅と地図」、「鉄道と地図」、「城と地図」といったテーマで、地図の面白さや奥深さを学校用の地図帳とは異なる角度から広められるよう、読者の興味・関心を調査して取り入れながら作成しています。テーマによって全国各地に赴き取材するので、現地の人にたくさん出会える貴重な経験ができます。また、編集者の裁量やセンスが大きく反映され、より自由に企画や編集ができる楽しみもあります。
上記のほかに、中長期的な目線で教育現場の動向を予測し、教材研究や試作を行う部署や、国内外の写真や統計データ、新聞記事などから必要な情報を整理・管理する部署、帝国書院の著作物の権利を管理する部署などもあり、編集部門の業務を支えています。
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営業部門~伝える・広める~
営業部門には、①学校営業の部署、②書店や販売代理店などを取引先とする部署、③学校の先生向けに教育情報誌を作成する部署があります。
学校営業の部署では、全国の小学校・中学校・高等学校を訪問して、先生方に帝国書院の地図帳や教科書(デジタル教科書を含む)、副教材の魅力や使いやすさをお伝えし、学校で使ってもらえるようPR を行います。営業担当者から先生に向けてただ一方的に勧めるのではなく、先生から授業の進め方や悩みごと・困りごと、教科書や教材への率直な意見など様々な声をいただき、より良い授業にするための最善策を一緒に考えます。そして、いただいた意見は集約し、編集部と共有して教科書や教材に反映していくことで、子どもたちにより最適な学びを届けることを目指します。
また、学校訪問でのPR 以外にも、教科書や副教材などを宣伝するためのチラシやパンフレットの作成のほか、担当者が地図帳や教科書、副教材の内容理解を深めるための社内勉強会の運営も行っています。
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書店や販売代理店などを取引先とする部署では、主に一般向けの商品に関するマーケティングや販売促進を行います。例えば、大型書店に一般書籍や地球儀を扱ってもらうよう社員が直接交渉をしたり、広告代理店と協力してキャンペーンやイベントの企画・運営を行い、新商品を広くPRしたりします。また、帝国書院がある千代田区神田神保町は本の街として知られていますが、年に一度開催される「ブックフェスティバル」で社員みずから店頭に立ち、お客様に直接商品を紹介する機会もあります。ほかにも、一般向け書籍や教材の新たなニーズを見出し、企画立案を行うことも業務の一環です。
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学校の先生向けに教育情報誌を作成する部署では、教育に関する最新情報を伝える情報誌を定期的に発行しています。毎号、テーマや特集記事を学校営業の部署と協働で企画し、取材を行います。例えば、全国の先生や子どもたちの声や、帝国書院の地図帳・ 教科書を活用した授業実践例など、先生方に役立ててもらえる情報を届けています。情報誌の作成のほかにも、小学生を対象に地図帳を使ったワークショップを行ったり、教員を目指す大学生に向けて地図帳の指導方法をレクチャーしたりもしています。このような活動を通して、地図帳をさらに活用してもらい、「社会科の授業が面白い」と思う子どもが一層増えてくれることを期待しています。
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管理部門~支える・守る~
管理部門には、①編集した原稿を“本”や“冊子”の形にする部署、②学校や一般のお客様に教科書や教材を供給・販売する部署、③会社全体の管理・運営を行う部署があります。
編集した原稿を“本”や“冊子”の形にする部署では、編集部門と製図や製版、製紙、印刷、製本などに関わる会社の「橋渡し役」として、作成した原稿を“本”に完成させるまでの全製造工程に携わります。編集部や取引先の意向を汲み取りつつ、各工程を遅滞なく進めていきます。なおかつ、複数書籍を同時並行的に扱うため、スケジュール管理は会社にとってとても大切です。さらに、丈夫で質の高い紙を取り入れるべく取引先と交渉したり、印刷工場に出向いて印刷後の発色や紙の状況を直接目で見て確認したりすることも重要な役割です。
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学校や一般のお客様に教科書や教材を供給・販売する部署では、帝国書院の教科書(デジタル教科書も含む)や教材を、採用する全国の学校に遅滞なく、かつ過不足なく届ける役割を担っています。注文を受け、直接学校や一般のお客様に納品を行うこともありますが、多くは全国にある「教科書特約供給所」を通して届けており、各社の担当者とのやり取りが頻繁に行われます。また、売上や入金、商品在庫の管理も行っています。件数や金額が大きいため、より正確かつ迅速に管理・把握できるよう、社内の販売システム基盤の構築や見直しにも注力しています。
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会社全体の管理・運営を行う部署では、総務や経理、人事などの仕事を行っています。具体的には、社員の福利厚生や会社の資産管理をはじめ、給与や社会保険料の算出、経費支払、決算業務全般、新卒採用活動、来客対応など、これらに付随する周辺の仕事も含めて様々な業務を行っています。社員が気持ちよく仕事ができる環境を整えたり、業務の効率化や経費削減を会社の先頭に立って考えたりすることを意識しています。また、労働基準法や税法などの各種法令やコンプライアンス等にも目を光らせ、法令改正等があった際はいち早く対応できるようにもしています。
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