●サンクトペテルブルクの家族の食事風景

最初に紹介するのは,ロシアの一般家庭のようすである。訪れたのはサンクトペテルブルク郊外のアパートに暮らすジマさん一家。ご主人のジマさんは靴のチェーン店の店長をしていて,お子さんは2人というごく一般的な家庭である。日本のマンションと同じくらいの広さの2LDKのお宅で,長男のエゴーくん用の子ども部屋(動画冒頭00:11),長女と両親の寝室,ダイニングキッチンという間取りであった。ジマさんのお宅訪問の主目的は食事風景の撮影である。動画で確認できるものを順に紹介すると,まず皆が食べているものがロシアを代表するスープ,ボルシチである。ビーツという根菜を使うことでさわやかな赤色になり,肉や野菜が入っている。クルクルと混ぜているのは,サワークリームを入れているため。ロシアの人々の多くはボルシチにこれを入れて食べる。手前に見えるブリヌイは,ロシア版のクレープである。サラダなどさまざまなものを巻いて食べる。続いて登場するヴィニグレートはビーツを使った赤いサラダ。ニシンの塩漬け,トマトやきゅうりなどの酢漬けであるピクルスなど,ロシアならではの保存食も食卓に並んでいる。ビーツも家庭で使う実物を見せてもらった。動画最後(01:12)に登場するのがウォッカ。アルコール度数は40度ほどで,一気にのみほすのが流儀。この日はジマさんと乾杯を繰り返し,取材班も6杯ずつ杯を空けた。 |