見やすい地図用紙の開発

帝国書院 調製部

ひとえに「印刷用紙」と言っても、さまざまな製品があり、それぞれが個性をもっています。その中で最適なものを選ぶことが、出版物の鮮やかな色合いや使いやすさの向上を実現するために重要となります。ここでは、私たち帝国書院が地図帳に使用する特別な「印刷用紙」についてお話ししたいと思います。

地図用紙のできるまで

帝国書院の地図帳の印刷用紙は@光沢感(印刷した部分の鮮明な仕上り)、A色相(印刷されていない部分の白さ)、B不透明度(裏側が透けるか否か)、C紙厚、コシ(製本されたときのページのめくりやすさ)など、さまざまな要望に沿うために特別な製造方法を用いて日本製紙石巻工場で生産されています。

紙はきわめて繊細な工業製品で、同じ原料を使用したとしても他の工場であったり、同じ工場であっても違う製造マシンでは同じ紙はつくれないと言われるほどです。帝国書院の地図用紙は日本製紙石巻工場の技術者たちが製造マシンの特長を活かし、さまざまな原料を調合し技術を結集してつくったものなのです。

環境面での配慮としては、原料に古紙を配合して資源の有効活用に取り組んだり、できあがった製品の輸送についても工場倉庫内まで貨物線路が敷設されており、JRコンテナで効率的に出荷することで、トラック輸送に比べCO2を大きく削減しています。

日本製紙石巻工場

▲ 日本製紙石巻工場

石巻工場 国内最大級のN6マシン

▲ 石巻工場 国内最大級のN6マシン

見やすい地図用紙の開発

このように地図用紙は日本製紙石巻工場の職人たちの技術を結集しつくられていますが、毎年品質面でのブラッシュアップをはかっています。平成28年度用の新しい地図帳の印刷のために、地図の印刷部分や写真の仕上りは鮮やかなままに、しかも蛍光灯などの反射を極力おさえることで地名の文字なども読みやすいように、原料や製造方法を見直した全く新しい用紙を開発しました。単純に光沢感をおさえるだけではなく、今回の地図用紙は地図帳の色鮮やかな美しさを失わないぎりぎりのバランスで仕上がるよう細心の注意をはらって製造しました。印刷面の鮮やかさは失わずに全体的に反射を抑えるという相反する要望に対して日本製紙石巻工場の職人たちが見事に応えてくれた、現時点で考えうる最高傑作といえるでしょう。

[平成28年度用内容解説資料]

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