環境にやさしいライスインキの導入

帝国書院 調製部

出版物の作成にインキは欠かせません。出版物のできを左右する、無くてはならない存在のインキですが、実は油が主成分であることや、原材料の多くを輸入に頼っている状況などにより、環境への負担も決して小さくありません。ここでは、帝国書院と関係各社が世界に先駆けて大量の印刷物用に開発した、環境への負担が少ない「ライスインキ」についてお話ししたいと思います。

ライスインキとは

環境に配慮した印刷用インキとしては大豆油などを原料として使う「植物油インキ」が知られています。植物油インキは環境にやさしいという点が支持されている一方で、世界的な食料危機が懸念される中で食用の大豆から採れる大豆油を原料としている点、大豆油を輸入するための輸送時のCO2排出量が増えるといった環境負荷が大きいという点からの問題も指摘されています。

こうした問題を解決するためにインキの原料を大豆油から米ぬか油に変更したものがライスインキです。

使用する米ぬか油は全量が純国産の、従来廃棄されていた米ぬかを原料としています。食料である大豆から、廃棄されている米ぬかへの転換により食料問題への貢献ができたり、外国から輸送されてくる大豆油から国産の米ぬか油への転換により輸送時に発生するCO2が削減できたりします。同時に全量国内調達・販売ということで地産・地消といった循環型社会の創生にもつながります。

ライスインキは社会貢献活動のデザインとして2011年のグッドデザイン賞のグッドデザイン・サステナブルデザイン賞、第8回エコプロダクツ対象2011のエコプロダクツ対象推進協議会会長賞(優秀賞)、第21回地球環境大賞の経済産業大臣賞など多くの評価を得ています。

国内初! もしかして世界初!? 教科書に適した輪転印刷機用ライスインキの開発

このように、持続可能な社会の実現に貢献できるライスインキですが、今までは小部数印刷用の印刷機用のものしか実用化されておらず、教科書のように大量に印刷する出版物のための輪転印刷機用のライスインキは開発されていませんでした。

平成28年度用の新しい中学校教科書の製造にあたって、製造の側面から環境問題への対応や循環型社会創生に向けて貢献したいという思いから、弊社の教科書を印刷している(株)加藤文明社と印刷用インキを製造している東洋インキ(株)と相談し、書籍や教科書に適した輪転印刷機用のライスインキの開発プロジェクトを発足させました。何度もテスト印刷を重ね、このたび、同インキの開発に成功し、それで印刷した教科書をお届けできるようになりました。弊社では、これからも新しい材料や技術の開発などにとりくみ、持続可能な社会の実現に貢献できるよう、製造の面からも挑戦して参ります。

この教科書は,環境にやさしい再生紙・ライスインクを使用しています。
また,カラーバリアフリーを含むユニバーサルデザインに配慮しています。

[平成28年度用内容解説資料]

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